保育施設での事故を防ぐ申し入れ

東京都中央区の認可外保育施設「キッズスクエア日本橋室町」で3月に1歳の男の子が亡くなる事故が発生しました。
ご家族の悲しみははかりしれません。
保育施設での死亡事故、とりわけ、認可外保育施設での事故は、認可園に比べて発生件数が高く、ずっと再発防止策が指摘されているのに、事故が繰り返されています。
報道記事→ 保育施設:乳幼児14人が死亡 うち認可外が10人 - 毎日新聞
現場が体制不足になるような安易な規制緩和でなく、認可保育園を国の責任で増やすこと、認可・認可外問わず保育士不足を解消すること、そのために必要な財政措置をはかること、これらに本気で取り組む政治が必要です。
今回の事故が起きた「キッズスクエア」はJR長岡京駅前にもあり、改めて、事故防止対策について、わが町のことに引き寄せて取り上げる必要があると感じました。
事故が起きていたことがマスメディアで報道された当日、担当課に連絡をとり、翌々日、まず議員団で担当課長にヒアリングをおこないました。
それを受け、担当課が「キッズスクエア長岡京」と、その経営主体である「株式会社アルファコーポレーション」、事故の起きた東京都中央区に、体制の現状や事故防止策について問い合わせをおこなってきています。
現在、そうした対応が進行中だということ、また、すべての保育施設に関わる問題であることなので、議員団として、正式に後述の申入れをおこないました。
6月議会では、申し入れの内容で市に対策について質問していくことになるでしょう。
子どもの命や安全が、どの保育施設でも等しく守られるよう、国や行政が施設任せにしないよう取り組んでいきます。



2016年5月2日
長岡京市長 中小路 健吾 様              
日本共産党長岡京市議会議員団
団長 小原 明大


保育中の事故防止のための申し入れ

 3月11日、東京都中央区の認可外保育施設「キッズスクウェア日本橋室町」において、うつ伏せの状態で午睡をしていた当時1歳2か月の男の子が死亡する事故が発生しました。
国の保育指針では、乳幼児のうつ伏せ寝は窒息死の危険性があり避けなければならないとされており、東京都も認可外保育施設で、子どもを仰向けで寝かせることや呼吸などをきめ細かく観察するなどの基準を定めています。しかし、男の子はうつ伏せの状態で2時間以上寝かされていて、呼吸の確認が十分に行われていなかったことや、異変の後、救命処置が直ぐに取られていなかったことが新聞報道されています。
東京都は「職員の人数は満たしているものの、安全管理態勢に問題があった」として、運営会社アルファコーポレーション(本社・京都市)に、改善を求める行政指導を行っています。これに対して、アルファコーポレーションは「男児が亡くなった原因はわからないが、寝かせ方や救命の対応が十分でなかったことに対して、改善策を講じている」とのコメントをしています。
 本市駅前保育施設を運営している企業で発生した事故であり、看過できるものではありません。本市での保育中の事故を防止するため、駅前保育施設「キッズスクウェア長岡京」をはじめ、本市のすべての保育施設を対象として、下記のとおり申し入れるものです。

1.基準どおりの保育体制が常時とられていることを確認し、遵守を徹底すること。
2.「認可外保育施設指導監督基準」における、乳幼児突然死症候群の予防としての
・睡眠中の児童の顔色や呼吸の状態をきめ細かく観察すること。
・乳幼児を寝かせる場合は、仰向けにねかせること。
・保育室では禁煙を厳守すること。
の3点について、守られているか再度確認すること。乳幼児突然死症候群の予防について研修も実施し徹底すること。
3.救急救命処置訓練を実施・徹底し、誰でも迅速な救命処置ができるようにすること。
4.各保育施設での「ヒヤリハット」の事例を市として把握し、保育施設間での共有を図り事故防止につなげること。
5.以上の事故防止対策がすべての保育施設で講じられるように、職員体制の充実強化や研修受講などにかかる経費等に、市として必要な支援をおこなうこと。 
以上