学童保育と原発事故避難者支援

9月議会が先週29日で閉会しました。
最終本会議で私は2つの討論をしました。
1つ目は、学童保育の民間委託の予算が盛り込まれた一般会計の補正予算に対しての反対討論。
この補正予算は、日本共産党以外の賛成で可決されました。
2つ目は、福島第一原発事故の避難者への住宅支援の継続を求める意見書案への賛成討論。
この意見書は全議員賛成で可決され、国へ提出されます。
以下、討論の全文です。
実際に読んだときは少し言い換えたりしていますが、ほぼこのままです。

平成28年長岡京市一般会計補正予算第3号 反対討論

 今回の補正予算には、中学校給食室整備工事の基本設計・実施設計委託料の債務負担行為や、保育所待機児童緊急対策の一つである小規模保育施設整備への補助など、重点施策を実施していくための予算計上がされており、それらについては市民福祉の向上の具体化であることから異論はありません。しかし、一方で、平成25年度から始まった放課後児童クラブいわゆる学童保育の民間委託化の第2弾となる、長十小クラブが対象となる運営業務委託料の債務負担行為も計上されました。
 長十小と合わせて計上されている長七小クラブは、今回の債務負担行為でようやく是正はされるものの、入会児童数が増え、本来であれば設置と運営の基準を定める条例にもとづき本市が常勤指導員の増員分の予算措置をしなければいけないところを、委託先の民間法人の企業努力で問題なく運営されているからと、今年度予算では、加配アルバイト指導員の増員分のみで委託料増額ですませています。
 そして長十小クラブでは、次年度に民間委託を予定していることのみを理由に、実施要綱に定めた配置基準を守らず常勤指導員を欠員のまま放置し、ここでもアルバイト指導員で対処しています。
 本市は放課後児童クラブについて、「常勤指導員のシフト調整やアルバイト指導員の確保が難しく、運営が硬直化している。民間委託することによって柔軟に対応できる」とされていますが、条例や実施要綱上必要と定める指導員配置も行わず、保育ニーズの多様化に応える努力を現場の指導員や民間事業者にゆだねていく本市の姿勢こそ改めるべきです。
 長七小クラブでの本市のこれまでの対応からも改めて民間委託には同意しかねますが、特に、今回の長十小クラブで起きている法令に反する指導員の欠員配置は、本市全体の職員定数抑制路線のために、本市が放課後の子どもの保育への責任を後回しにしているといえるものです。以上の理由から、こうした姿勢のもとで民間委託化を進めていく今回の債務負担行為をおこなわないよう求めて反対討論といたします。


東日本大震災による避難者の住宅支援継続を求める意見書案」賛成討論

 国は、人が生活や活動する場所での放射線被ばくの限界と定めている年間被ばく限度量は、1ミリシーベルトとしていますが、事故直後の平成23年度4月に、20倍の年間20ミリシーベルトに引き上げました。5年をたった今も非常事態時の暫定限度量を基準にしたまま、それを下回る地域から次々に避難指示を解除していますが、それらの地域でも、またもともと避難地域に指定されていない地域でも本来の被ばく限度量1ミリシーベルトを超える場所はたくさんあります。
 被災者の強い願いに応えて、平成24年に子ども被災者支援法が国会で立法化されましたが、支援法の目的を後退させてしまう基本方針の改定が昨年度行われ、被災者支援の基準としても、年間20ミリシーベルトという非常事態時の被ばく限度線量を適用する内容となってしまいました。
 しかし、もともと事故がなければ不要だった被ばくや移住や避難を余儀なくさせてきたのは、国や東京電力であり、事故前と同じ放射線量の環境のもとで生活を送れるようにすることは事故原因者の責任で行うべきものと思います。
 本意見書案で求めている避難者への住宅支援は、困窮している世帯への救援という範囲を超えた、いわば事故により生活基盤を変えざるを得なかった原子力災害の被害者への賠償として、京都府福島県も今後も継続しておこなうべきものであり、被災地にとどまる住民の生活や生業を補償していくことと同様に当然のことであると考えます。以上の理由から、この意見書案に賛成いたします。