障がいをもつ人の就労について学ぶ

前回の日記を書いた日以降、障がいをもつ人の就労について学ぶ機会が重なりました。
まずは、長岡京市内に事務所をかまえる、NPO法人「乙訓障害者事業協会」さん。
 事務所の愛称は「バスハウス」。なぜ「バスハウス」か…
 それはバスが2階にあるから!
続いて、先週議会文教厚生常任委員会で視察をした、静岡県三島市NPO法人「リベラヒューマンサポート」さん。
 自立支援就労継続A型の事業所。部品の製造。
 玄関先でお話をうかがう。
そして、今週1日に乙訓福祉施設事務組合議会での「若竹苑」など事務組合の施設と事業の研修。
 利用者さん手作りの来客用席札が食堂でお出迎え。
 就労継続B型事業でお線香の箱組み立て。一番上は私の手による失敗品。
NPO法人乙訓障害者事業協会」は、この4月から事務所を移転されたということ、バンビオ1階のオープンラウンジ「エポカ」と西国街道の「神足ふれあい町家」の管理運営を市から委託されていることもあり、一度お話をうかがいたい、と思っていて、今回それがかなったというわけです。

障がい者の方々自らが就労の場や機会をつくることを目的に2004年に立ち上げられたNPO法人
きっかけは市からの投げかけがあったということ、周りの方の支援もあってのことですが、行動を起こされる方のお話は、本当に敬服・脱帽の連続です。
ホームヘルパー養成講座の事業にはじまり、「エポカ」「町家」の委託、そして、立ち上げ当初の大きな目標であった、就業支援センターの設置は、バンビオの「しょうがい者就業・生活支援センター『アイリス』」開設という形で実ります。
事務所の一室では、この4月から就労継続B型事業で、染物に不可欠な天然素材の竹ピン(生地がよれないよう乾かすときにとめておくピンが必要なのだそうです)の製造をされています。
 竹ピンの製造風景。手元の手際よさは職人さんそのもの
これも、事務局の方が人のつながりの中で見つけてこられた仕事。
長岡京市で天然素材といえば「竹」
廃材になってしまうところの竹を素材に変えて生かしていく。そこに障がい者の方の就労が生まれる。
長岡京でこその手仕事です。
お話の中で、「障がい者が働けるように育成していく場が足りない」ということが言われていました。
障がい者の場合は、たとえば、特別支援学校(養護学校の新名称)の高等部を卒業した後、一般就労をするために「就労以降支援」を受けられる期間は障害者自立支援法で「2年」と定められています。
乙訓福祉施設事務組合議会の研修でも、「2年という短期間で一般就労ができるようになるのか」というご本人や家族の不安が大きいということも言われていました。
大阪市堺市では、障がい者雇用をしている事業所は、市の公契約の入札の際に評価点として加算をされているとのことで、行政に、現物として施設をつくるだけではない、多様な支援を期待されていました。
他にも、保育所をつくろうとする法人と土地所有者や不動産業者、金融機関との間に入って側面支援をしている町田市のことも紹介したりして、行政との連携についても意見交換させてもらいました。
とにかく、「就労の場をつくる」このことを使命に、次はどんなアクションを起こそうか、と常に考えてこられてきました。
この使命感のことを、先週の視察先のNPO法人の代表の方は「ミッションを実現していく」と言われていました。
こちらの法人は、障がい者の方とひきこもりの若者の雇用の場、不登校の児童・生徒の学びの場づくりをされている法人です。
たとえば、若者たちでつくるグループが商店街のあちこちで模擬店を開く。
商工会や商店街はそれを支援する役割をもちながら、同時に、若者たちの模擬店が話題となり、商店街の活性化につながる、という、人による人の循環型経済。
農地を借りて、農業を学び、就農青年を育てていく。
生産農家の願いと、社会の中で生きる願いを一致させて、新たな雇用の場が生まれます。
また、こちらのNPOさんは、雇用の場をつくるだけではなく、NPO自らも、若者や障がい者を雇用していくことも同時にされています。
市民が主体となって経済を活性化させていく。
さて、話はあっちにいったりこっちにいったりしますが、乙訓福祉施設事務組合でも「ポニーの学校」「若竹苑」はどちらも、国や府の掛け声でできたのではなく、保護者の願いを受けて行政と保護者が一緒につくってきた、という設立の歴史を改めて知りました。
どこでも共通するのは「ないものはつくる」。
「必要なものを実現していく」使命感。
三島市NPO法人さんの代表が次のように言われていたことにとても共感します。
「(ひきこもりや雇用のこと)国も自治体も、相談する入り口はつくっても雇用の出口をつくっていない」
また、同じくその代表の方が、「少子化対策子育て支援は子どもがいる世帯にだけしててもだめ。年収200万に満たない若者を増やしてきたことが問題。これでは結婚もできない。若者の雇用をつくることを本気でやらないといけない」と言われていました(たけやまの要約)。
同感です!「若者の雇用をつくること」は日本共産党の「総合的な子育て支援政策」の提言に共通するお話でした。
実際にそうした理念で行動されている方々にお会いしてお話ができたことがとても嬉しいです。
今回の懇談や視察や研修で、「できることだけやる」では福祉も雇用も、(おそらく何事も)前進しないことを学びました。
ん〜〜、まとまらないし、書く前に頭にあったことはまったく書けていないような気もしますが、以上、報告でした。