圧巻の発達支援

20日の夜にあった日本共産党長岡京市後援会の総会。
総会と銘打って、要は、毎年恒例のこの時期の、美味しいお造りと寄せ鍋をつつきながらの各校区や職場後援会のみなさんとの交流会です。
今年は、はじめてぼんくれきょうだいも参加しました。
 撮影:ハル
 撮影:ハル



さて、22日、会派で滋賀県湖南市に「発達支援システム」を学びに視察に行きました。

乳幼児期から就労まで、つまり一人の子どもが産まれてから社会の中で自立するまでを、親ととともに、発達を支援していこうというものです。
子どもの発達・成長の過程で起こる、いろいろのつまづきに親やその子に関わる人々はとても悩みます。
それを、「困った子」とくくらずに、実はその子自身が一番困っているんだと気づき、その子自身に必要な支援をするのが大事、というのが、大前提の湖南市の施策です。
その内容は・・・(不足や間違いがあればすみません!)
例えば、学校教育の場では、障がいのあるなしではなく、一人一人の子どもの可能性を引き出し伸ばすために、その子の「学び方」を探って「学び」を保障する。
この子はこれこれという障がいがあるので、ここで学びなさい、と行政が決めるのではなく、子どもが今いる場所、これから過ごす場所で必要になる支援を親と議論を重ねて一緒に決めていく。
これが、基本姿勢で、その支援を探ったり、その子どもがどんな風にそこで過ごして成長できているかを、数々の、そして縦横斜めの連絡会議や個別ケース会議をもちながら、就労までつなげていくのです。
具体的には、本人や親が相談や支援がしたいな、と思った時から、「ここあいパスポート」という相談支援ファイルで情報をためていき、必要とされる情報が必要なときに必要な形で誰にでも伝えられ、とぎれない支援を考えるツールがあるのです。
障がいがあるかどうかに関わりなく、親は、子どものつまづきや困難さに気づいたときから、その子の成長過程を積み重ねた情報を一元化させておくことで、保健所にも保育所や幼稚園にも、学校にも、その子の生育過程がきちんと把握させることができます。
こうした連絡会議やパスポートをきちんと活かすことで個別の指導計画が作成されます。
保育所に入るときや転園、就学、学年が上がる時など、関わる人が変わるたびに同じことを何度も何度も面談で言わないといけない、訊く相手によって伝わり方が違う、こうした親の心的ストレスは一気に取り除けます。
それらを、福祉・保健・教育が重なり合って一元で取り組めるように、社会福祉課の中に発達支援室という部署をつくり、関わる人々のバイパス役を担っています。
どこの場面でも大事にされているのは、本人や保護者に「説得する」のではなく、相談や議論をして「納得」の上で進めていくこと。
きめ細かな支援によって、特別な支援が必要でなくなる子もいます。
「納得」が大事なのは、子どもがやがて就労(社会に出るときにとも言い換えられるかと思いますが)するときに、本人の能力や可能性がきちんと開かれているようにするため。
圧巻でした。
子どもの発達を細切れにみないその姿勢に驚きっぱなしでした。
湖南市では、毎年500名台の出生がありますが、その1割ほどが何かしらの支援が必要な子ども、と分析されています。
これは、長岡京市でも全国でもだいたい同じような割合なのではないかと思います。
その子どもたちが、きちんとその子にふさわしい支援が得られるように、労力を惜しまない。
何のためか。
湖南市は、市民の力でこうした支援の仕組みがつくられ、やがて、条例にまでなった経緯があります。
条例によって、どの子にも生きていく力を伸ばす保障をする。
まちは、社会は、人によってつくられる。
その人を育てるのも、また人であり、人がつくるまちであり、社会である。
あまりに重厚な取り組みだったので、この日記にはその内容、とても書き切れませんが、こんなあたたかい連鎖を、わたしたちのまちでもつくりたい!と思うのです。