さよなら原発と視察

先週の橋下大阪市長日本維新の会共同代表の「慰安婦」「沖縄の風俗」発言について、駅や地域での宣伝で、抗議と発言の根本にある、日本の体制側の政治家の、戦争や性の暴力に対する認識への私なりの思いを話しています。
結局、戦争や軍事力はなくせないし、なくすつもりもない、この認識からの出発では、どんなに言葉では思いやっているようでも、戦争下での性の奴隷化や暴力を「必要だ」「仕方がないときもある」「悪いのは自分の国だけじゃない」と言えてしまうのだ、ということが改めてわかりました。
さて、橋下氏の発言の2日前、11日は、「被災地と原発事故を忘れない」日として、毎月取り組んでいる、原発をなくす長岡京市でのアピール行動をおこないました。

雨が降っていたので、署名行動にはなりませんでしたが、いまもなお、深刻になり続けている放射能汚染の実態や、電力会社の「原発を動かさないから電気代が高くなる」はトリックと論じる大学教授の言葉などを紹介し、「再稼動をやめさせよう、原発廃炉に向かわせよう」と訴えました。
そして、15・16日は、与謝野町宮津市に議員団で視察しました。
今回のテーマは「地域循環型経済」。
 与謝野町役場前
与謝野町は、丹後ちりめんの機音(はたおと)が民家のあちこちから聞こえてくる、商工のまちでした。
でも、バブル崩壊規制緩和で伝統工芸品も海外で大量生産していいというの大きな渦で、地場産業がボロボロにされ、地域経済は深刻に落ち込みました。
そこで、立ち上げられたのが、町は、地元の商、工、農、福祉、企業誘致された大手メーカーの工場長、市民などが集まって産業振興会議。
この会議のメンバーの大半は、公募で集まってきた人たちです。
行政職員は、日程調整、資料整理くらいの完全な黒子に徹し、結論を行政側からは決して出さないこの会議の、ケンケンガクガクの議論の中から、縦割りでは出てこない、異業種がコラボしての産業起こし、雇用起こしが始まっています。
こうした流れの中で、中小企業振興条例が生まれ、そこにも、縦割りでなく、異業種どうし、商工と福祉の連携、大手企業の協力など、町内の循環型経済をめざす思いが込められています。
そのうちの一つ、社会福祉法人よさのうみ福祉会が、町の委託で管理運営している「リフレかやの里」で昼食を食べました。
 地元農産物のビュッフェ
 本も出版されてる!
民間会社の倒産で閉鎖した宿泊型保養施設を、行政と障がい者福祉の連携で再生させ、観光で人を呼ぶ政策です。
行政も、地域経済を商工観光だけでやるべきものと狭くとらえていないところがスゴイし、これが、本来の当たり前のまちの姿でもあるような気がします。
二日目の宮津市
ここで学んだのは、竹資源有効活用プロジェクト。
宮津市の面積の80%は森林で、特に竹林は、京都府全体の竹林の1割を占めるているのだそうです。
人口の減少、産業の停滞、農林水産業の低迷で、地域力が落ち込んだまちを元気にしようとつくった「みやづビジョン2011」。
ビジョンの重点戦略として、定住促進とあわせて立てたられた、地域経済力を高めるための「自立循環型経済社会構造への転換」により、急激に広がった放置竹林に着目して、竹を資源に新産業を創り出そうと、プロジェクトが始まっています。
山の中にある、宮津バイオマスエネルギー製造事業所を見学させてもらいました。

①竹林の管理伐採への合意や調整を土地所有者と交わすことで荒廃林を面的に整備。
②竹チップと竹粉を燃料に、電気と液体燃料をつくる。
③企業や大学との竹を原材料にした製品共同開発。
売電できるほどの発電は難しいらしいのですが、竹の製品化は、2015年に本格的な産業にできるよう、実証試験中とのこと。
「竹」が主役なだけに、なんだか他人事とは思えず、話のはしばしで職員さんと「そうですね〜」「そのとおりなんです」と共感しまくりの視察でした。
地域の特性も、規模も、高齢化が進んでるとはいえ林業従事者の人数も違うので、コピペできるものではないけれど、長岡京の行政・民間・大学協働の西山整備の役に立つものがあればよいなと思います。

視察先の職員さんのお話は、どこも、このまちをよくしたいという地元愛をビシビシ感じます。