市議会の議員定数

今日、市議会の臨時会が開かれ、市議会議員定数を2名減らす「長岡京市議会議員定数条例の一部を改正する条例」が、平成3クラブの幹事名で提案されました。
現在、長岡京市議会の定数は26名です。
これを2名減の24名にする提案の理由として、提案者の坪内議員から「厳しい社会情勢と市民の声を真摯に受け止めるべく」と述べられました。
日本共産党のみ提案に反対し、他の会派すべてが削減案に賛成した結果、定数は2名減の24名となり、10月の市議選に向かうことになりました。

この定数問題は、市議会自身が一昨年度につくった長岡京市議会基本条例と同時にはじめた議会改革の具体的な検討項目の一つとしてあげられて議論してきました。
私たち日本共産党は、議会基本条例のめざす市民にひらかれた議会と、議会の機能強化のための改革をするために、本議会や委員会のインターネット配信や、市民が請願する際の押印の省略、議場のバリアフリー化、傍聴の自由化、広報「議会だより」に掲載する議員質問への議員名の明記と各議案に対する全議員の態度の明記などを提案し、全会派の合意を形成しながら少しずつ前進させてきました。
私自身は、議会基本条例がうたう「市民に開かれた議会」「議会の機能強化」のためには、定数の削減は、むしろマイナスになると考えています。
地方議会の議員は、住民のごく身近なところに存在し、住民とさまざまな地域づくりの活動に一緒に取り組む一人として、行政の政策と予算の組み方・使われ方が適正であるかをを住民の代表としてチェックし、さらに住民が参画するまちとなるように、政策を提案していく役割をもっています。
それらを充分に調査し発言していく目は多様であるべきだし、市民に発信していく量もより多くあるべきだろうと思います。
また、以前から国会でも地方議会でも「身を切るならまずは議員から」という論調がありますが、本当に財政が逼迫し議会側の縮減が必要なら、民意を反映させるべき議員の数ではなく、歳費(報酬)を削ればよいと思います。ちなみに、日本共産党は報酬の削減案には賛成してきました。

以下は、今日の条例提案に対する質問や討論を私がメモした要約です(正確でない部分があるかもしれません)。

提案に対し、民主フォーラムの堤議員と、私たちの会派から日本共産党の藤本議員が質問をしました。
●堤議員の質問
議員定数は必ず結論を出さないといけない問題。長岡京市議会基本条例では、市議会は二元代表として重要。市民に開かれた機関として機能の発展と強化を図ることを明記している。今後の議会のあり方として定数議論は重要。平成3クラブは、議会運営委員会(各会派代表で構成される議会運営を話し合う委員会で、検討内容は全会一致=合議制で結論を出す)では、会派の提案する定数は4名減としてきたのになぜ2名減の条例改正案になったのか?
●坪内議員の答弁
先人の苦労によって決算審議時期を11月から9月に前倒しにするなど議会改革してきた。請願が市民から出され議会基本条例もできた。定数について喧々諤々の議論をしてきた。平成3クラブの考えは4名減という人数を変えていない。しかし、議会運営委員会で定数が何人にすべきかの一致ができなかった。このままでは26名で改選することになる。これは避けなければならない。まず2名減らして市民に本気度を示そうではないか。
●堤議員の再質問
平成3クラブの統一見解として、4名減は最終的にやっていくということか。
●坪内議員の再答弁
平成3クラブと民主フォーラムで4名減で強行していたら可決されていたかもしれないが、一人でも多くの市民の意思に沿う形で改革しないといけない。

●藤本議員の質問
元代表としての議会の役割をどう発揮させるか。議会基本条例は議会の本質を明らかにした。議会が26名という定数をどうみるか。長岡京市議会の定数を26名としたのは平成14年度。長岡京市議会は、予算・決算を全議員で審議する。決算で審議したことが次年度の予算編成に反映されるように、11月に審査していた決算を9月に前倒しした。市民規模・予算規模からみて審査を充分に行うのに26名は最低必要だという結論が平成14年度の定数の決定。京都新聞でも示されたように、人口比率での議員定数は近隣市と比べて多すぎることはない。議員は個人個人がその職務として市民に情報を知らせていく役割がある。その定数を変えるには客観的な理由が必要。厳しい社会情勢というが、長岡京市は平成24年度は財政調整基金を取り崩さなくてもよかったほどの安定した財政状況。市報酬審議会は、議員は常勤的職業であり報酬は給与と同等とみるべきと答申していること、先の議会で市長は特別職給与を減らしたことをみれば、仮に厳しい社会情勢で財政圧縮のためということと、定数をどのようにとらえているか。24名にすべき根拠は何か?財政圧縮のためなら、採否を削ってしかるべきではないのか?
●坪内議員の答弁
時代背景を考えるべき。公募市民の参画、パブリックコメント、ワークショップの開催など、今は市民参画の時代。まずは市民と歩む社会で市民の目線で「櫂より始めよ」の姿勢が重要。予算的に余裕があるかどうかではなく、自らが襟を正す。26名なら民意が届き、22名・24名なら民意が届かないというのは違う。コンパクトに効率的に議会運営することが市民に対しても緊張感をもてる。
●藤本議員の再質問
なぜ改選の前に出すのか?
●坪内議員の再答弁
議会運営委員会で議論尽くしたが結論は出なかった。このままなら26名のままで改選することになる。議論の遡上に乗ったのに現状のまま改選するのは市民理解が得られない。

質疑の後、すべての会派代表が討論に立ちました。
以下要約抜粋。
日本共産党・浜野議員(反対)
地方自治体は憲法第93条に定められているように、首長も議員もそれぞれ有権者から直接に選ばれる二元代表性です。この一翼を担う議会は、複数の代表で構成される合議制の機関として、多様な住民の意見を反映させながら、首長・執行機関を監視、評価し、自治体の政策を決定する機能を持っている。
定数の基準を人口規模ではかることは客観性があり、その視点で平成14年度に定数を26名にした。当時の人口約7万8千人弱に対して現在は微増傾向で8万人弱となっている。平成14年度以降、市民ニーズも多様化しこれらを市政運営に反映すべきで、議会と議員の役割はますます求められている。人口に見合った議員定数の確保が前提だ。

他の会派は・・・
●民主フォーラム・進藤議員(賛成)
議会運営委員会で議会改革の具体化として23項目の会派の意見や提案を検討してきた中で、現時点で唯一残されたのが、議員定数削減と会派構成人数。類似団体・人口・産業・市の委員会構成など、総合的に判断し、4名減だと思っている。質疑に対する答弁で、2名減の理由も述べられたので、4名減へのまずは一里塚として賛成する。
公明党・大谷議員(賛成)
首長と議会は共同責任。首長は大きな行政責任をもち、議会はそれを監視するもので、「合議体」は議会だけのもの。行政のチェック機能こそ住民自治が求められ、議会は行政と市民とのパイプ役として重要。定数削減一辺倒の議論は避けるべきで26名で充分機能を果たしてきたと考えているが、情勢・類似団体の状況を見て2名減の提案をしてきた。
●ほうれんそうの会・大畑議員(賛成)
多様な意見を反映させるために、定数を減らすべきはないと思うが、市民から減らすべきとの声もあり、多様な声を反映するよう定数減に賛成する。平成19年度の報酬審議会答申の報酬削減案と同額になるのが2名減での報酬総額。答申の「何らかの方法で財政効率化を」に合致するものだ。同時に会派構成人数の見直しを提案する。